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窃盗犯に遭遇したらどうする?

決して無理は禁物です

バイクの盗難を行う窃盗団というものは、たいてい夜中や人気のないときを見計らって行動をするものですが、中には堂々と他の人の目がある中で犯行に及ぶような輩もいたりします。

あまりにも堂々と盗みを働かれてしまうと、周囲の人もまさかそれが泥棒だとは思わないという心理をついた作戦ですが、残念ながらそのバイクの持ち主までもだますことはできません。

そこでちょっと想像をしてもらいたいのが、もし自分がバイクをお店の外にちょっとだけ停めて、中で買い物をしてでてきたところ、知らない人(たち)が自分のバイクの鍵を壊そうとしていたりしたというような場合です。

いざとなってみないとそうした非常事態にどれほど自分が対応できるかということはわかりませんが、もしかしたら愛車に勝手に触るばかりか持ち去ろうとしている犯罪者に対し、カッとして殴りかかってしまうような人もいるかもしれません。

ですがここで注意をしてもらいたいのが、仮に目の前で自分のバイクを持ち去られようとしているところを見たとしても、決して力ずくで取り返そうとしてはいけないということです。

窃盗をしているのがイタズラ目的の学生くらいならまだよいのですが、中には海外のマフィアグループも窃盗団にはいるため、下手をしたら殺傷沙汰になってしまう可能性があるからです。

まずはとりあえず大きな声で騒ぎましょう

しかしだからといって目の前で愛車が分解・持ち去りをされようとしているのを指をくわえて見ているわけにもいきません。

そこでまず突然に窃盗団に遭遇をしたなら、とにかく大きな声を出して騒ぐということが大切です。
「ドロボー!」と叫ぶのもいいですし、それは自分のものだということを大きな声で訴えるのもよいでしょう。
女性ならば「キャーっ!」と叫ぶだけでもよいので、とにかく周囲の人の注目を少しでも集めようとすることが大切になります。

周囲の人が何事かと集まってきたらしめたもので、ある程度盗難のための手が止まったら素早く110番に通報をします。

たいていの窃盗犯は、グループでも個人でも目立つことを非常に嫌うため、ちょっと騒がれればすぐに逃げ出すはずだからです。

逃げ出されたら犯人の人相や背格好、言葉遣い、可能ならば乗っていった車などのナンバーを控えて通報時に警察官に伝えるようにしましょう。

いきなり通報するのも危険

泥棒は困るけど、自分が目立つのも嫌だという人などは直接警察に通報することを考えるかもしれませんが、それではもしかしたら立ち去られたあとにようやく警官が到着、なんてこともありえます。

ここ最近の窃盗団の手口は非常に巧妙になってきているので、のんびりと解体をしているグループなどはなくびっくりするくらい手早く窃盗をしていきます。

犯人を見つけたら時間との勝負になるということを考え、やはりできるだけ周囲の人を味方につけて大騒ぎをするのがよい方法と言えます。

また相手は一人だからと高をくくっていたら周囲に複数の仲間が隠れていたということもあるので、あまりいきなり近づかずできるだけ遠くから指差しなどをしてその人(たち)が泥棒であることを周囲に知らせるようにします。

イモビライザーとは?

新しい盗難防止システム“イモビライザー”

“イモビライザー”とは、巧妙化するバイクの盗難事件に対抗するため新しくバイクに取り付けられるようになった電子的なキー照合システムです。

しくみを簡単に説明すれば、バイクのキー差込口部分にあらかじめユニークな情報を持つ電子チップを埋め込んでおくことにより、その電子情報を持ったキー以外を差し込んでもエンジンが起動しないようにしてあるものです。

例えて言えば、住宅向けの鍵で形状さえ合っていればいくつでも合鍵を作ることができたシリンダー式のものをやめて、独自の情報を持ったカードキーでないと扉を開けられないようにしたというような感じです。

このイモビライザーを使用することで、仮にバイクが盗難されてもエンジンを起動することができないので、防犯上大きな効果があるといわれてきました。

確かに従来のようなキー形状さえあっていればどの鍵でもエンジンがかけられるときに比べればずいぶんと抑止効果は上がりましたが、それでも分解後に専用の機器を使えばイモビライザーがあってもエンジンがかかってしまうようになるため、高度な組織犯罪を行う窃盗団にはそれほど効果はないようです。

ただし個人レベルでの素人ドロボーには十分に効果はあるので、これから購入するならやはりイモビライザー付きのバイクの方が断然おすすめです。

イモビライザー付きのバイクの見分け方

便利なイモビライザーですが、それが車体についているかどうかは、付属のキーをちょっと見ただけでは簡単に区別がつきません。
そのため、知り合いから譲ってもらうなどしたバイクでは、そもそも自分の乗っているバイクにイモビライザーがついているかもわからないというようなライダーもたまに見かけたりします。

自分の乗っているバイクにイモビライザーがついているかどうかがわからず、普通の車種と同じように合鍵をそのへんのキーショップで作ってもらったりすると、合鍵を差し込んでもエンジンがかからず大騒ぎに発展してしまうようなことも実際にはよくあります。

イモビライザーがその車種についているかどうかの判断のためには、まず車体に張ってあるステッカーが目安になります。

ホンダなどは専用のイモビライザーステッカーを必ず車体に添付するようにしているため、くまなく車体を調べればすぐに搭載機であるかどうかがわかります。

また、イモビライザーが搭載されている車種の場合、メーターの周りにインジケーターランプがついているのが通常です。
インジケーターランプは鍵を差し込まない状態で駐車をすると、点滅もしくは点灯するようになっているため、客観的にも搭載車であるかどうかがすぐにわかり、犯罪のターゲットになりにくくなるというメリットがあります。

なおイモビライザー搭載機で不正にエンジンをかけようとすると警告音(イモビアラーム)が鳴るので、前述のような市販のキーショップによる合鍵作成には十分に注意しましょう。

キーの複製時には注意

通常の方法ではなく、専門の業社にお願いをすればもちろんイモビライザー付きのバイクでも合鍵を作ることはできます。

ただしその場合は車体と同じID情報を持った電子キーを作ることになるので、一般的な合鍵よりもかなり価格は高くなってしまいます。

紛失した場合はもっと面倒で、場合によってはバイク本体のID変更と新しいイモビライザー設定をしないといけなくなるため、かなりの出費を覚悟した方がよいでしょう。

購入時には必ず予備キーが配布されるかと思うので、絶対に無くさないように大切に保管をして盗難や紛失に備えるようにしましょう。

盗難事件を見る

最新のバイク盗難の手口

バイクは自動車と違って移動がしやすく、また小さなスペースにも置いておきやすいというメリットがあますが、それは裏を返せば本来の持ち主ではないドロボーさんたちにとっても大変有利な条件であるということでもあります。

街中をちょっと歩いてみても、案外無防備なまま駐車されているバイクも多いもので、駅前の駐輪場にU字フックや細めのワイヤーでつないだだけの施錠で長時間置かれているようなものも多く見られます。

また自宅においてあるバイクの中にも、敷地内の駐車スペースだからと安心しているのか、通りがかりの私のようなものでさえちょっと知識があれば簡単に盗めてしまうんじゃないかと心配になるような置き方をしているものがあったりします。

盗られる方が悪い、そんなのは自己責任、とばかりに突き放すのは簡単ですがバイクを所有している人間の一人としては、そうした周囲を信用して駐車したバイクが無残に盗まれたり解体されてしまったりするのは心が痛むことではあります。

特に最近はバイク盗難は組織犯罪が主流になってきているようで、ちょっと目を離した隙になくなってしまっていたなんてこともあるといいます。

バイクに乗る人ならばそうした盗難事例は決して他人事に思わず、常に最新の情報を仕入れて対策をとっていくようにするのが義務と言えるでしょう。

狙われるのは高級車

つい最近に始まった現象ではありませんが、やはりバイク盗難の一番のターゲットになっているのはハーレダビッドソンなどの高級車です。

他にも人気の高いバイクであるホンダのCB400SFや、レトロなデザインが人気のミニバイクのAPEあたりもよく標的にされていることを聞きます。

価格が高いバイクはもちろんですが、その時期によって人気の車種やジャンルは微妙に異なってくるので、人気がある車種に乗っている人はいつもよりも厳重に施錠をしておくことが大切です。
またなお、日本国内だけでなく盗難グループは海外で組織されてそのまま輸出する手はずをとっているようなところもあるので、海外でも人気のある車種や代替部品が入りにくい車種なども同様に注意が必要になります。

実際の事例としてもつい最近の2011年2月には、東京と千葉周辺でハーレダビッドソンを中心に盗難を繰り返していたグループが摘発されたのですが、そのメンバーは台湾からの留学生がメインであり、盗んだバイクは東南アジア方面に輸出していたと供述しています。

完全になくなったバイクを取り返すのはほぼ不可能

上記で紹介した台湾の窃盗グループの事例がまさにそうなのですが、ここ最近のバイク盗難の傾向として、盗んだバイクがそのまま流通するというケースはむしろ少なく、すぐに解体工場に運ばれて部品にされ、そのまま海外に持ち運ばれてしまっています。

解体されて部品になってしまったバイクは、仮に窃盗団を輸送途中で摘発しても元通りの形で戻ってくるということはまずなく、よくて部品が自分のものと発覚する程度です。

バイクを盗む手口もあとから解体することが前提となっていることから、大胆に前輪ごと外してしまったり、ハンドルやシートを取り外して持ち去るというようなことも行われたりしています。

バイク盗難事件のうち、7割以上は施錠をしていたにもかかわらず盗まれたという統計も出ているくらいですので、今後はより厳重に対策をとったり保険をかけたりしておく必要がありそうです。